第18番札所 母養山 宝樹院 恩山寺

ぼようざん ほうじゅいん おんざんじ
【寺の歴史】
小松島市郊外、小高い山の樹林が心地よい県指定の風致地区にあります。縁起をたどると、聖武天皇(在位724-49)の勅願により行基菩薩が草創して、「大日山福生院密厳寺」と号しました。本尊は行基菩薩が彫造した薬師如来像でした。災厄悪疫を救う女人禁制の道場であったといいます。十九番霊場に向かう花折り坂から上には、女性が入ることは許されていなかったのです。

814年ごろ、弘法大師がこの寺で修行をしていたころのことです。弘法大師の母・玉依御前が讃岐の善通寺から訪ねてきました。しかし寺は女人禁制です。弘法大師は7日間、山門近くの瀧にうたれて修行をし、女人解禁の秘法を修めることで、母君を迎えることができました。母君は剃髪して、髪の毛を奉納しました。このことから、弘法大師は山号寺名を「母養山恩山寺」と改めました。そして、自像を彫造して安置し「我が願いは末世薄福の衆生の難厄を除かん」と誓ったといいます。その後、天正の兵火により寺は焼失しましたが、江戸時代(1603-1868)になると、阿波藩主の庇護をうけて繁栄します。

現在の本堂や大師堂は文化、文政年間(1804-30)に建立された由緒ある建造物です。境内には玉依御前を祀る小堂があります。女人禁制を解いたことを記念に大師が植樹したと言われる「びらん樹」は、県の天然記念物にもなっています。母君を慕いつくした大師のこころが、いまも宿っているような寺です。

【玉依御前の剃髪所】
大師堂の手前にある小さなお堂です。そばには「大師御母公剃髪所」の石碑があります。お堂の中には弘法大師作と伝えられる御母公像、弘法大師の母君の髪の毛が安置されています。

【弘法大師像】
大師自ら彫造した像です。現在、大師堂の本尊になっています。

【その他見どころ】
・「源義経上陸の地」石碑(境内の山裾にあり、近くの神社に義経が弓を引いている銅像)

【年中行事】
・護摩祈祷
日時:毎月1日、12日、20日
・奥之院金磯弁財天縁日
日時:己巳の日(つちのとみのひ、この日に参拝すれば財福が備わるとされます)
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住所 〒773-0008 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷40
電話番号 0885-33-1218
アクセス JR南小松島から西へ進み日開野町交差点で左折して国道55号線を南へ。標識に従って右折し、道案内に従って進みます。
駐車場 普通20台・マイクロバス5台・大型4台 (午前7時〜午後5時 )
駐車場代 無料