第23番 医王山 無量寿院 薬王寺

【寺の歴史】
発心の道場といわれる阿波最後の霊場です。高野山真言宗の別格本山でもあります。厄除けの寺院としては全国的に有名です。やくよけばしを渡って本堂に向かう最初の石段は、女厄坂といわれる33段、男厄坂といわれる急勾配の42段、さらに男女の還暦厄坂と呼ばれる本堂から瑜祇塔までの61段からなっています。各石段の下には薬師本願経の経文が書かれた小石が埋め込まれており、参拝者が1段ごとにお賽銭をあげながら登る光景が見られます。

縁起によると、聖武天皇(在位724-49)の勅願によって行基菩薩が開創したとされています。815年、弘法大師は自分と衆生の厄除けを祈願するため、自ら彫った厄除薬師如来坐像を本尊とし、厄除けの根本祈願寺としました。弘法大師が、この厄除け本尊の功徳を平城天皇、嵯峨天皇、淳和天皇の3代に相次いで奏上したところ、各天皇は厚く進行し、厄除けの勅使を下して官寺としています。

1188年、当寺は火災で諸堂を焼失しました。しかし、厄除け本尊は光を放ちながら飛び去り、奥の院・玉厨子山に自ら避難したと言われています。のちに後嵯峨天皇が伽藍を再建して新しい薬師如来像を開眼供養すると、避難していた本尊が再び光を放って戻り、後ろ向きに厨子に入ったと伝えられます。以来、「後ろ向き薬師」と呼ばれる秘仏です。境内には吉川英治著『鳴門秘帖』、司馬遼太郎著『空海の風景』に登場した石碑があります。

・瑜祇塔
高さ29メートル、上方が四角、下方が円筒形で一重の塔です。天と地の和合を説く瑜祇経の教えに基づき、屋根に五柱の相輪が立っています。画像1

・厄坂の賽銭
お賽銭をあげながらお参りすると、身に降りかかる厄難が落ちるといわれます。画像2


【その他見どころ】
 瑜祇塔
 厄坂の賽銭・肺大師(本堂左手にあり、ラジウムを含んだ霊水で、肺病などの諸病に効くという云われがあります)

年中行事
◇新春初祈祷・・・1月1日〜3日
◇節分星供・・・2月3日
◇厄除け初会式・・・2月11日〜12日
◇涅槃会・・・2月15日
◇釈尊花祭・・・4月8日
◇正御影供・・・4月21日
◇夏会式・・・旧暦:5月晦日
◇弘法大師降誕会・・・6月15日
◇盂蘭盆会・・・8月13日〜16日
◇施餓鬼会・・・8月16日
◇夏会式・・・旧暦:5月晦日
◇鎮守祭・・・10月15日
◇厄除年越祭・・・大晦日
◇本尊月並会・・・毎月12日
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住所 徳島県海部郡美波町奥河内字寺前285−1
電話番号 0884-77-0023
アクセス JR牟岐線「日和佐駅」下車→約700m
徳島バス「薬王寺前」下車
第24番へ約72.1km[※JR(途中まで)・バス便有り]
徳島ICから車で約100分
駐車場 普通350台/マイクロ・大型10台
駐車場代 無料 
備考 ■宿坊:あり(予約専用電話:0884-77-1138)
■精進料理:事前予約制(1日20名まで)1人1800円 ※21名様以上の場合、ご相談ください。