第10番札所 得度山 灌頂院 切幡寺

とくどざん かんじょういん きりはたじ
【寺の歴史】
切幡山の中腹、標高155メートルに境内があります。国指定重要文化財である大塔からの眺望はすばらしいです。眼下には吉野川がゆったりと流れ、前方には四国山脈の雄大な山々が連なります。麓は、巡礼用具店などがならぶ門前町となっています。「女人即身成仏の寺」として知られ、七色の光を放つ善女に憧れる女性からの人気が高いです。

古く、この山麓に機を織る少女がいました。ここで修法していた弘法大師は結願の7日目、綻びた僧衣を繕うために布切れを所望しました。彼女は織りかけていた布を惜しげもなく切って差し出しました。この厚意にたいへん感動した弘法大師は「何か望みはないか」と尋ねます。少女は「父は都で薬子の変に関係して島流しとなりました。母は身ごもっていましたが、男の子が産まれればその子も咎を受けます。どうか女の子が産まれるようにと、母が清水の観音様に祈願し、やがて産まれたのが私です」といいました。そして「亡き父母に代わり観音様をつくってお祀りし、わたしも仏門に入りたい」と願いを告白しました。

弘法大師はつよく心を打たれ、さっそく千手観音像を彫造しました。少女を仏門に入らせて、灌頂を授けました。乙女はたちまちのうちに即身成仏し、身体から七色の光を放ち千手観音菩薩に変身しました。弘法大師は、このことを時の嵯峨天皇に伝えました。そして、天皇の勅願により堂宇を建立して、自ら彫った千手観音像を南向きに、即身成仏した千手観音像を北向きに安置して本尊にしたと伝えられます。得度山、灌頂院、切幡寺それぞれの名称もこうした由縁によります。

【山麓から本堂まで】
約800メートルある道です。333段の石段があり、女厄坂、男厄坂を上り切ると本堂があります。

【切幡寺大塔】
国指定重要文化財である切幡寺大塔。初重と二重の間が方形で、日本唯一の構造様式です。豊臣秀頼が秀吉を弔うため建立しました。1873年に大阪の堺にある住吉大社神宮寺から移築し、完成に10年を要しました。

【その他見どころ】
・はたきり観音(乙女が即身成仏して観音さんに化身した銅像。右手にハサミ、左手に長い布をもちます)

【年中行事】
・春季初岸中日大法会・・・3月21日(中日)
・秋季初岸中日大法会・・・9月23日(中日)
・八大龍王宮秋祭・・・10月(第3土曜日)


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住所 〒771-1623 徳島県徳島県阿波市市場町切幡字観音129
電話番号 0883-36-3010
アクセス 土成インターチェンジから左折して、国道318号を鴨島方面へ進み、県道12号線(鳴門池田線)を市場町方面へ進み切幡変電所を右折すると標識がでているので道なりに進んで行くとたどり着きます。
駐車場 下の境内に普通20台 (中・大型は進入不可) 午前7時〜午後5時
駐車場代 無料