第17番札所 瑠璃山 真福院 井戸寺

るりざん しんぷくいん いどじ
【寺の歴史】
7世紀後半の白鳳時代(645-710)は、清新な日本文化が創造された時期でした。律令制もようやく芽生えて、阿波の国(現在の徳島)にも国司がおかれました。この国司に隣接して、天武天皇(在位673-86)が勅願道場として建立したのが井戸寺です。当時の寺名は「妙照寺」、寺域は広く八町四方、七堂伽藍のほか末寺十二坊を誇る壮大な寺院でした。本尊は、薬師瑠璃光如来を主尊とする七仏の薬師如来坐像で、聖徳太子作と伝えられます。また、脇仏の日光・月光菩薩像は行基菩薩の彫造のようです。815年に弘法大師がこれらの尊像を拝むために訪れたとき、檜に像高約1.9メートルの十一面観音像を彫って安置しました。この像は、右手に錫杖、左手に蓮華を挿した水瓶をもった姿形で、現在、国の重要文化財に指定されています。弘法大師はまた、この村が水不足や濁り水に悩んでいるのを哀れみ、自らの錫杖で井戸を掘りました。すると、一夜にして清水が湧き出したのです。そこで付近を「井戸村」と名付け、寺名も「井戸寺」に改めたといいます。

南北朝時代(1337-1392)以降、寺史は激変します。まず1362年、細川頼之の兵乱で堂宇を焼失し、次いで1582年には十河存保と長宗我部元親との戦いでも罹災しています。本堂が再建されたのは1661年のことでした。

七仏薬師如来は全国でも珍しく、七難即滅、七福即生などの開運に信仰が多いです。

【面影の井戸】
大師が掘った伝説の井戸です。覗き込んで自分の姿がうつれば無病息災、うつらなかったら3年以内の厄災が起こるかもしれません。

【日限大師】
石造の弘法大師像で「水大師」ともいわれます。5日、7日など日数を限って日参するとご利益あります。

【その他見どころ】
・仁王門(阿波10代藩主・蜂須賀重喜公が大谷別邸から移築し寄進した門です)

【年中行事】
・正御影供
日時:旧暦3月21日
・不動護摩
日時:毎月28日
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住所 〒779-3118 徳島県徳島市国府町戸北屋敷80-1
電話番号 088-642-1324
アクセス 藍住インターチェンジから県道1号線を蔵本町方面へ行き、NTT徳島西営業所ちかくの交差点を右折。約2km先で標識に従って左折。あとは道案内が出ています。
駐車場 普通30台・マイクロバス5台・大型5台(午前7時-午後5時)