第37番札所 藤井山 五智院 岩本寺

ふじいさん ごちいん いわもとじ
【寺の歴史】
四万十川が流れ、標高300m程の高南台地が広がる四万十町に、五尊の本尊を祀る岩本寺は建立されています。歴史は天平(729-749)まで遡ります。寺伝によれば、聖武天皇の勅を奉じた行基菩薩が、七難即滅、七福即生を祈念して建立した、福圓満寺が前身とされます。福圓満寺は、現在地より北西約3㎞の付近にある仁井田明神の傍にありました。末寺七ヶ寺をもったといいます。また、仁井田明神の別当職(別当寺)であったことから、仁井田寺とも呼ばれていました。

弘法大師がこの寺を訪ねたのは弘仁年間(814-824)。大師は一社に祀られていた仁井田明神のご神体を五つの社に分け、それぞれの社に不動明王像、観音菩薩像、阿弥陀如来像、薬師如来像、地蔵菩薩像を本地仏として安置しました。弘法大師は、さらに末寺五ヶ寺を建立しました。このことから、福圓満寺等は七ヶ寺と合わせて十二福寺、また仁井田明神は仁井田五社と呼ばれていたようです。

天正時代(1573-1592)には、兵火等で寺社共に一時衰退してしまいます。再建の際に寺の法灯並びに別当職は、この地域全ての神社を管掌下においていた岩本寺(当時は岩本坊)に遷され、継承されることとなりました。戦国(1467-1590)・江戸時代(1603-1868)には武将や藩主等から寺領等の寄進を受け、神仏習合の札所として隆盛を誇っていました。明治(1868-1912)になると、神仏分離政策で仁井田五社と分離されます。五尊の本地仏と札所は岩本寺に統一され、それに伴う廃仏毀釈の法難に遭い 寺領地の大半を失ってしまいます。再建には苦難の道が続いたのですが、少しずつ伽藍を整備し現在に至っています。

【大師堂】
200年ほど前の建造物で、境内では最も古いものです。

【本堂内陣の格天井画】
1978年に新築した際、全国から公募した花鳥風月から人間曼荼羅まで、575枚の絵が天井を彩っています。

【年中行事】
・新春特別祈祷
日時:1月2日
・節分会(星供養会)
日時:2月3日
・弘法大師祭
日時:3月20日~21日
・花まつり(仏生会)
日時:4月8日
・四国遍路
日時:6月初旬
・盂蘭盆
日時:8月13日~16日
・四国遍路
日時:11月初旬
・聖天祭
日時:12月18日
・除夜祭
日時:12月31日
フォトツアーを見る
住所 〒786-0004 高知県高岡郡四万十町茂串町3-13
電話番号 088-022-0376
アクセス 36番札所からは、国道56号線を四万十市方面へ。窪川トンネルを抜けて古市町交差点を右折。直進して、二つ目の信号を左折。つきあたりを右折。約120m先左側にあります。
駐車場 普通20台・大型4台
備考 宿坊:あり(要予約)