第13番札所 大栗山 花蔵院 大日寺

おおぐりざん けぞういん だいにちじ
【寺の歴史】
徳島市には5ヶ所の霊場があります。大日寺はその最西です。鮎喰川を渡った平地にあり、県道を挟んだ反対側には、阿波の総鎮守であった一の宮神社があります。

開基は弘法大師とされています。縁起によると、弘法大師が「大師森」と呼ばれるこの地で修行をしていた際に、紫雲とともに大日如来が舞いおり「この地は霊地なり。心あらば一宇を建立すべし」と告げたと言います。弘法大師は、さっそく彫造した大日如来像を本尊と定め、建立した寺に安置しました。寺名の由来もこの縁起によります。今日日、境内は老樹に覆われ密教寺院の雰囲気を漂わせていますが、戦国時代(1467-1590)の天正の兵火により、元々の建物は全て罹災しています。現在の本堂は、江戸時代初期に安房三代藩主・蜂須賀光隆によって再建されたものです。

また、国の総鎮守・一の宮が建立されたときには、この寺は別当寺として、一の宮境内に置かれました。一の宮の本地仏は行基菩薩作の十一面観音像だったようです。同じ境内であったため、江戸時代には一の宮神社が札所であり、納経所として参拝されていたようです。このことは真念著『四國邊路道指南』(1687)にも記されています。その後、明治時代(1868-1912)の神仏分離令により神社は独立し、一宮寺は元の「大日寺」に名に変えました。もともとあった大日如来像は脇仏となり、十一面観音像が本尊として祀られるようになりました。日本人の心には今もなお仏と神が融和しています。

四国遍路は弘法大師の御心を慕い歩みつづけています。

【ぼけ封じ観音】
東に0.7キロほどの新奥の院・国中寺は、お年寄りへの祈祷で知られています。

【しあわせ観音】
石柱が二本立つ山門をくぐり石段を上ると、本堂と大師堂が向き合っています。境内の水かけ子安地蔵と観音像は、まるで本堂と大師堂を行き来する参拝客を見守っているようです。
境内の中央に招霊木が根を張っています。傍にあるのがしあわせ観音像です。後ろには縁起木の枝が笠のように広がり、ひときわ目を引いています。この極彩色の小さな観音様は、蓮を持った手を合掌し、笑みと共にしあわせを与えています。

【その他見どころ】
・奥の院・建治寺


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住所 〒779-3132 徳島県徳島市一宮町西丁263
電話番号 088-644-0069
アクセス 藍住インターチェンジから県道1号線を徳島市内へ行き、国道192号線と合流すると石井町方面へと走り、鮎喰川沿いの県道21号線を進んで行くと右手にあります。
駐車場 普通車であれば15台、マイクロバスであれば10台、大型車であれば8台
駐車場代 無料
備考 宿坊:あり(150人)