第42番札所 一カ山 毘盧舎那院 仏木寺

いっかざん びるしゃないん ぶつもくじ
【寺の歴史】
牛の背に乗った弘法大師の伝説が語り継がれる仏木寺には、境内に家畜堂という小さなお堂があります。ミニチュアの牛や馬の草鞋をはじめ、牛馬の陶磁器、扁額などがところ狭しと奉納されています。近隣の農家では、田植えが終わったころに参拝に行き、牛馬の守護札を受けて帰り、畜舎の柱に貼っていました。往時は農耕をともにした家畜たちの安全を祈願していましたが、最近ではペットなども含めて動物一般の霊を供養したり、また、闘牛の飼育者の間にも信仰が広がっているといいます。

807年のころ、弘法大師はこの地で牛を引く老人と出会いました。誘われるまま牛の背に乗って歩むと、楠の大樹の梢に一つの宝珠がかかって、光を放っているのを目にした。よく見ると、これは弘法大師が唐から帰朝するときに、有縁の地が選ばれるようにと、三鈷とともに東方に向かって投げた宝珠でした。弘法大師は、この地こそ霊地であると感得、堂宇の建立を決心したといいます。弘法大師は自ら楠で大日如来像を彫造すると、眉間に宝珠を埋めて白毫とします。これを本尊として安置し、「一カ山仏木寺」と名づけ、草字体で書写した『般若心経』と『華厳経』一巻を奉納されたと伝えられます。

その後、寺は牛馬安全の守り仏、大日さまとして信仰をあつめます。鎌倉時代(1185-1333)には宇和島領主・西園寺家の祈祷、菩提寺となるなど隆盛を誇りました。戦国時代(1467-1590)には戦乱に災いされるなど、苦難の道を余儀なくされましたが、再建に励んで面目を一新し、活気に満ちています。

【本尊・大日如来像】
県指定文化財です。像高1.2mの寄せ木造りです。鎌倉時代(1185-1333)の墨書銘、背面に大師作の小像が胎内に納められている旨の墨書があります。

【家畜堂】
家畜堂では、毎年土用の丑の日に「瓜封じ」の祈祷をし、人間や動物の心願成就を祈念します。

【その他見どころ】
・鐘楼堂(四国霊場では珍しい茅葺の屋根。元禄時代(1688〜1704)に再建されたもの)

【年中行事】
・修正会
日時:1月1日
・星まつり
日時:2月3日
・大日如来御縁日
日時:4月19日
・花まつり
日時:5月5日
・きうり封じ祈祷会
日時:7月丑の日


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住所 〒798-1102 愛媛県宇和島市三間町則1683
電話番号 0895-58-2216
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