第26番札所 龍頭山 光明院 金剛頂寺

りゅうずざん こうみょういん こんごうちょうじ
【寺の歴史】
室戸岬から海岸沿いに西北に向かうと、土佐湾につき出した小さな岬があります。硯が産出するので硯が浦ともいわれる「行当岬」です。その岬の頂上、原始林の椎に覆われて静寂さがただよう境内が金剛頂寺です。室戸三山の一寺院として「西寺」の通称でも親しまれており、朱印も「西寺」と捺されます。当寺から4㎞のところに女人堂と呼ばれる不動堂があります。若き弘法大師が修行した霊地であり、毎日寺と女人堂を行道しました。「行当岬」という名はその名残かもしれません。

縁起によると、807年、弘法大師は平城天皇(在位806-9)の勅願により、本尊の薬師如来像を彫造して寺を創建しました。本寺は創建のころ「金剛定寺」といわれていました。女人禁制であり、婦女子は行当岬の不動堂から遙拝していたといいます。

次の嵯峨天皇(在位809-23)が「金剛頂寺」とした勅額を奉納されたことから、現在の寺名に改めました。さらに次の淳和天皇(在位823-33)も勅願所として尊信しました。住職は第10世まで勅命によって選ばれており、以後、本寺は16世のころまで全盛を誇りました。
室町時代(1336-1573)に堂宇を罹災したこともありましたが、復興がはやく、長宗我部元親の寺領寄進や、江戸時代には土佐藩主の祈願所として整備されています。昭和(1926-1989)になって注目されるのは正倉院様式の宝物殿「霊宝殿」の建立です。平安時代(794-1185)に大師が各地を旅したときの「金銅旅壇具」は、わが国唯一の遺品であり、ほかにも数多くの重要文化財が収蔵されています。

【霊宝殿】
収蔵する木造阿弥陀如来坐像、板彫真言八祖像、銅造観音菩薩立像、金銅密教法具、金銅旅壇具、銅鐘、金剛頂経などはすべて国指定重要文化財。

【知光上人御廟】
弘法大師伝によると、当山二代・智光上人は世に隠れたる聖人二人です。一人は大和の室生寺堅恵大徳、一人は土佐金剛頂寺の智光上人とあり、堅恵は智恵第一の人、智光は行力第一の聖人と讃えられています。上人は大師禅定の西寺根本樹下の法窟に籠もり、山で精進修行して一生を過ごしました。弘法大師が835年3月21日高野山に入定と知るや、弘法大師を慕いて、同年4月21日この地に入定留身し給うと伝えています。

【その他見どころ】
・奴草
・鯨供養塔(鯨の供養塔。別名「クジラ寺」)
・一粒万倍の釜(大師が炊いた米が一万倍に増え、人々を飢えから救ったという釜)

【金剛頂寺の年中行事】
・弘法大師像ご開帳
日時:旧暦3月21日
場所:大師堂
・本尊薬師如来像ご開帳
日時:12月31日〜1月8日
場所:本堂


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住所 〒781-7108 高知県室戸市元乙523
電話番号 0887-23-0026
アクセス 南国インターチェンジから、室戸を目指す方向で国道32号線・国道55号線と走り、室戸市のバス停元橋のところで左折、道なりに約2km走ると右手にあります。
駐車場 普通20台・マイクロバス3台・大型3台(各午前7時〜午後5時)
駐車場代 普通20台/200円・マイクロバス3台/400円・大型3台/1,000円
備考 宿坊:あり(100人)