第24番札所 室戸山 明星院 最御崎寺

むろとざん みょうじょういん ほつみさきじ
【寺の歴史】
「修行の道場」とされる土佐最初の霊場です。太平洋の白い波が吠えたてる室戸岬の突端にあります。黒潮のしぶきにあらわれて鋭角になった黒い岩礁。そのすさまじい響き。空と海が一体となり襲いかかる洞窟の樹下で、藤衣を被って風雨を凌ぎ、虚空蔵求聞持法の修法に励む青年・空海がいました。792年、弘法大師19歳のころとされています。この詳細は、大師が24歳のときの撰述『三教指帰』に次のように記されています。

「…土州室戸崎に勤念す 谷響きを惜しまず 明星来影す 心に感ずるときは明星口に入り 虚空蔵光明照らし来たりて 菩薩の威を顕し 仏法の無二を現す…」
807年、唐から帰朝した翌年に弘法大師は、勅命をうけてふたたび室戸岬を訪ねています。虚空蔵求聞持法を成就したこの地に、本尊とする虚空蔵菩薩像を彫造して本堂を建立しました。嵯峨天皇をはじめ歴代天皇の尊信が厚く、また、足利幕府の時代には土佐の安国寺となり、戦国・江戸時代には武将、藩主などの寄進により、寺運は隆盛しました。
当時は、真言密教の道場とされ女人禁制の寺でした。往時、女性の四国遍路は遙か室戸岬の先端から拝んだといわれますが、明治5年に解禁されています。室戸岬では東西に対峙している二十六番・金剛頂寺が「西寺」と呼ばれ、最御崎寺は「東寺」とも呼ばれており、納経帳等の寺名には東寺と記されています。南国情緒を味わう室戸阿南国定公園の中心にあり、弘法大師が悟りの起源の地でもあります。

【国指定重要文化財】
石造如意輪観音半跏像が有名です。ほかに木造薬師如来坐像、木造月光菩薩立像、三足の漆塗盤があります。いずれも宝物館。

【御厨人窟】
大師が虚空蔵求聞持法の苦行をしたと伝えられる洞窟です。

【その他見どころ】
・明星石(大師が修行中に、星のように光を放ち、毒龍の妨げを防いだという伝説の石。海岸で斑レイ岩として見かけることができる)

【年中行事】
・初祭り・・・1月13日

フォトツアーを見る
住所 〒781-7101 高知県室戸市室戸岬町4058-1
電話番号 0887-23-0024
アクセス 南国インターチェンジから、室戸を目指す方向で国道32号線・国道55号線と走り、室戸スカイラインへ左折。そのまま9km道なりに走ると、正面に駐車場があります。
駐車場 普通37台/マイクロバス9台/(午前7時〜午後5時)
駐車場代 普通37台/無料・マイクロバス9台/300円(午前7時〜午後5時)
備考 宿坊:あり(100人)