お参りの礼儀、お作法とは

心を込めたお参りをするために

色々な思いを胸に参拝しているお遍路さんも多く、マナーを守って参拝することも必要です。お参りする上で知っておきたい一般的な礼儀や作法をお教えします。

巡拝の順序

納経所の受付は7時から17時まで。基本年中無休ですが、山あいのお寺などは日暮れも早く季節によっては早めに閉めることもあるので油断は禁物。また春秋や日曜・祝日は格段にお遍路さんが増え、受付に時間がかかるので注意が必要です。納経所では御影をいただくのを忘れないように。自由にとって帰れるところは特に忘れやすいので要注意!
①一礼・ご挨拶
「これからお参りさせていただきます」の気持ちを込めて、まずは山門や入口にて一礼。駐車場から境内に直接入る札所も多いが、できれば門の前に回り一礼してから入りましょう。全ては気持ちの問題。
②お清め
次に、手水舎(ちょうずや)でひしゃくに水をひとすくい。左手→右手の順に水をかけ、左手で受けた水で口をすすぎ、残りの水をひしゃくの柄に流してすすぐ。どれだけ洗っても御利益は変わらないので、くれぐれも水は大切に・・・もったいないの精神 をお忘れ無く。
③鐘打ち
輪袈裟(わげさ)を首にかけ、数珠を手にしたらいよいよお参りも中盤。仏様にこちらを向いてもらうためについても良いというお寺のみ、一度だけ鐘をつく。早朝など近隣の迷惑になる時間帯は控えましょう。ちなみに、参拝後につく鐘は「戻り鐘」といわれ、功徳が消え縁起が悪いとされているそうです。
④納礼・写経
その後、本堂へ向かい納札は納札箱へ、写経は写経箱へそれぞれ納めましょう。納札はひとり1枚。日付、住所(市町村名ぐらいまで)、名前を前もって書いておきましょう。裏に願い事や般若心経を書いておく人もいます。
➄灯明お線香浄財
お次は灯明、線香、おさい銭。灯明は仏様の知恵を、線香は仏様の徳をいただくために上げます。ロウソクは1本、線香は通常3本とされている。後から来る人の事を考えて線香は中心に、ロウソクは奥または上段から立てるのが通常。どれだけ勢いよく投 げても御利益は変わらないので、おさい銭はそっと差し入れるようにしましょう。
⑥読経・合掌
さぁいよいよここからが本番! お経を読みます。合掌礼拝し、覚えていても経本を手に持って読みながら、ご本尊とお大師さまを念じつつ読経します。
⑦参拝
お経を読み上げ心が静かになったら、大師堂へ行き参拝。八十八ヶ所すべての寺に本堂と大師堂があり、大師堂でもSTEP4~6を繰り返します。ほかにもお堂があれば、お参りします。
⑧納経受付
最後は納経受付。参拝後に納経所で、納経帳に揮毫と朱印をいただく。寺の御本尊が描かれた御姿(おすがた)もいただき御影保存帳などにしまいます。料金は納経帳300円、掛軸500円、判衣200円。

お遍路の心得「十善戒」

これだけは必ず守りたい、弘法大師の教え
1、不殺生(ふせっしょう):生きているもの、すべての命を大切にする。
2、不偸盗(ふちゅうとう):物を盗まず、他人のものを大事に扱う。
3、不邪淫(ふじゃいん):性は尊いものであり、節度をもって性を考える。
4、不妄語(ふもうご):うそ、偽りはいわず、真実を話すことを心がける。
5、不綺語(ふきご):虚飾のことばは話さず、飾らない本当のことばで話す。
6、不悪口(ふあっく):悪口は言わず、相手を思いやることばで話をする。
7、不両舌(ふりょうぜつ):どの人に対しても、二枚舌を使わず、温かな気持ちで話す。
8、不慳貧(ふけんどん):強欲をはり、貪ることなく、感謝の気持ちで過ごす。
9、不瞋恚(ふしんに):怒りをおさえ、心を落ち着けて、優しい気分で過ごす。
10、不邪見(ふじゃけん):邪な間違った考えを捨て、どの人にも平穏な気分で接する。

※参照:(一社)四国八十八ヶ所霊場会公式サイト http://www.88shikokuhenro.jp/