お遍路の上手なめぐり方

無理をせず、自分に合ったスケジュールで回るのが一番!

巡る順番や数、期間が自由なだけでなく、巡礼の手段も自分にあわせて選択できるのがお遍路の良いところ。歩き遍路や車遍路をはじめ、ツアーバスやタクシーを利用したり、最近ではサイクリングで巡るお遍路旅も増えてきました。自分のスタイルで自分好みの回り方を見つけてみてください。

順序や移動手段は人それぞれ

「順打ち」「逆打ち」? 巡礼の順番は?
どこから始めてもよいお遍路ですが、一番札所から番号順に巡る「順打ち」が一般的な巡礼方法です。また、八十八番から巡礼することを「逆打ち」といい、一番札所から回るルートよりも険しい道が多いことから順打ち3回分のご利益があると言われています。その他にも、「通し打ち(すべての霊場を一遍にめぐりきること)」「区切り打ち(適当に区間を区切って巡る)」など、さまざまな巡り方があります。自分の体力やペース、スケジュールにあわせてプランニングしてみましょう。

歩き遍路

公共の交通機関を利用しながらのんびりと回ってみる
歩き遍路のメリットは、なんといっても人とのコミュニケーションがたくさんとれること。現地の方とのふれあいや、周りのお遍路さんとの会話は、より深みを増す旅へと導いてくれます。また長く険しい道のりを乗り越えてこそ得られる達成感は、かけがえのない経験となることでしょう。

自然の気配や人の温もりを感じながら思いを成就する旅ができる反面、無理な計画は体力を消耗し継続が困難になってしまうことも。歩き遍路の場合は気候や体調によってスケジュールが大幅に変わってくるので、期間や移動距離にも余裕を持った計画が必要です。体力の消耗を感じたら、無理せずに途中でタクシーやレンタカーを利用してもOK。

1日の移動距離は、8時間~10時間で約20kmを目安に回るのがおすすめですが、あくまでこれは目安、
自分の体力や体調と相談して決めましょう!

徳島市の五ヶ所まいり

徳島市の五ヶ所まいり

歩き遍路で6時間の初心者コース

歩き遍路の手初めとしておすすめなのが、徳島市内に隣接する札所を巡る五ヶ所まいり。13番札所の大日寺から17番札所の井戸寺までは、距離にすると約8キロ。比較的平坦な道が続き、初めての歩き遍路にはぴったりのコースです。まち歩きの感覚で、1日かけてのんびりと回りながらお遍路の楽しさを実際に体感してみませんか。

車遍路

観光気分も味わいながら、ちょっとした寄り道も楽しんで!
魅力的な景勝地がいっぱいの四国だから、観光も楽しみたいところ。車遍路は、海岸線のドライブや観光地への寄り道も楽しめるのが醍醐味です。効率よく回れるので、エリアによっては一日に10箇所以上の札所を巡ることも可能。高知県は札所間が離れていることや、公共のバスや列車の移動も間隔が空くことが多いため、特に車を利用するお遍路さんが多いエリア。車窓からの景色も楽しみながら、観光気分を思う存分満喫しちゃいましょう。

気軽に巡ることができるので、ついうっかりしてしまうのが持ち物。駐車場から札所まで離れているところも多いので、車内に忘れ物が無いか要チェック。また車で巡るとはいえ、階段を上ったり砂利道を歩くことも多いので、しっかりと歩ける装いで回るのが鉄則です。寒暖対策や飲料水の携帯も忘れずに!

1日の移動距離は約150kmが目安ですが、エリアによって大きく変わってきます。宿泊先の駐車場チェックも必須です。

岬からの絶景を望む(室戸岬・足摺岬)

岬からの絶景を望む(室戸岬・足摺岬)

高知県2大岬には、それぞれに札所があり

高知県最初の霊場は室戸岬の突端に立つ、24番札所最御崎寺。近くには、弘法大師が修行していたといわれる「御厨人窟(みくろど)」と「神明窟」いう2つの洞窟が並んでいます。この洞窟から空と海しか見えなかったことから「空海」の名を得たといわれ、弘法大師ゆかりの地として訪れてみるのもおすすめです。 そして四国最南端の地、足摺岬に立つのが38番札所の金剛福寺。四国有数の広さを誇る大寺院で、境内には南国情緒を感じさせる植物が多く茂ります。岬周辺には弘法大師にまつわるエピソードが多く残る「足摺七不思議」といわれる遺跡が点在。ぜひ散策しながら七不思議を見つけてみて。

サイクリングで巡る魅力

行動範囲が広がって時間の短縮も嬉しい。観光地ではレンタサイクルも便利!
四国では、自転車で観光地を回る旅行者が多くなりました。最近では白装束に身を包んだサイクリストも多く、菅笠を荷物にくくりつけ颯爽と駆け抜けていく姿をよく見かけます。歩き遍路と同じような感覚で、自然を感じたり人とのふれあいを楽しみながら巡礼できるのはとても魅力的。自転車は小回りが効くので、通りがかりのカフェで一息ついたり素敵なショップに立ち寄ってみるのも楽しみのひとつになりそう。

四国内はレンタサイクルの設備も充実しているので、旅の途中で活用するのもOK!乗り捨てができるサイクルポートが多く、上手に活用しながら巡ってみてはいかがでしょう。

山道の度合いにもよって異なりますが、一日約30km程度の移動距離で計画してみると効率よく回れそうです。

ツアーバス&タクシー

知識豊富な専門の先達さんにお任せ。思い立ったら気軽にチャレンジ!
お遍路さんの知識が無くても、効率良く巡れるツアーバスやタクシー。宿泊先やコースなど全て専門スタッフにお任せできるので、初めての方や計画通りに回りたい方に最適。四国八十八か所霊場公認先達(せんだつ)さんが同行するツアーでは、豊富な知識や経験の中から、歴史的な背景や最近流行りのお遍路情報まで盛りだくさんの解説で楽しませてくれるので、旅が終わる頃にはまた訪れたくなるほどの感動をおぼえます。

全国各地発着をはじめ、四国スタートのものや一部だけタクシーツアーに参加できるものなど、選べるプランはさまざま。日数や目的に合わせたプランに参加してみて!

■ツアーバス
・クラブツーリズム https://www.club-t.com/theme/culture/kokoro/
・阪急交通社 https://www.hankyu-travel.com/kokunai/junrei/
・読売旅行 https://www.yomiuri-ryokou.co.jp/kokunai/jyunrei/

■タクシー
・四国おへんろ.net https://www.shikoku88.net/
・四国巡拝センター https://www.junpai-center.net/
・お遍路専門店 旅ネット四国 https://www.junpai.co.jp/

四国別格二十霊場

四国別格二十霊場

八十八カ所と合わせて百八の煩悩を消滅する道

お大師様が四国霊場が開創される際には、八十八カ所以外にも多くの寺に痕跡を残しました。その番外札所のうち二十ヶ寺が集まって別格二十霊場を創設。合わせて巡ることで、人間の百八の煩悩が消滅するといわれています。
各札所には、お寺の名前が入った念珠(数珠)玉が用意されています。別格二十霊場を結願し、各札所で授かった念珠をすべて合わせてできる片手念珠(数珠)は人気あり。別格二十霊場を巡る楽しみのひとつにもなりそうです。